第2回 日本骨免疫学会 受賞研究紹介


潰瘍性大腸炎の病態形成に関わる新たな因子の解明

キーワード:炎症性腸疾患、ゲノムワイド関連解析(GWAS)、腸管上皮細胞

YIA賞受賞 藤本 康介 先生
(大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器・免疫アレルギー内科学/免疫制御学)

 私が所属する呼吸器・免疫アレルギー内科学教室(熊ノ郷淳教授)は、毎年入局者数も多く、若い人材が互いに刺激し合い成長できる最高の環境にあります。私は医学部学生時代に審良研究室で腸管免疫学の研究をしていたこともあり、熊ノ郷教授の御配慮の下、免疫制御学教室(竹田潔教授)で引き続き炎症性腸疾患の病態メカニズムの解明を行ってきました。  炎症性腸疾患は他の自己免疫疾患と同様に遺伝的素因と環境要因が相まって発症すると考えられています。近年重要なトピックスの一つとなっている腸内環境(微生物や代謝物)と腸管内のさまざまな免疫細胞を分け隔てる腸管上皮細胞に着目し、炎症性腸疾患のゲノムワイド関連解析(GWAS)とリンクさせながら(現在までに200以上の炎症性腸疾患関連遺伝子座が報告されています)、腸管炎症を制御する新たな遺伝的素因を探索してきました。今回私たちは、潰瘍性大腸炎のGWAS関連遺伝子であるRING finger protein 186 (RNF186)が大腸上皮細胞に高発現し、大腸上皮細胞のRNF186基質タンパクの恒常性を保つことによって、腸管炎症を制御することを明らかにしました。さらに、潰瘍性大腸炎患者で認められる64番目の一塩基多型(SNP)が、RNF186の機能を減弱させ、腸管炎症のリスクになり得ることを示しました。今後も引き続き炎症性腸疾患の病態メカニズムの解明および新規治療法の開発を一つの研究テーマとして取り組んでいきたいと考えています。  この度は第2回日本骨免疫学会でのYIA受賞に際し、受賞研究を紹介する機会を頂いたことに感謝すると共に、今後の更なる励みにしたいと思います。









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