第9回日本骨免疫学会の終了報告

第9回日本骨免疫学会 会長
順天堂大学医学部膠原病内科 田村 直人

謹啓

向暑の候、皆さまにおかれましてはご清祥のこととお喜び申し上げます。

さて、第9回日本骨免疫学会は、例年通りの梅雨明け後となった宮古島のヒルトン沖縄宮古島で2024年6月25日から27日まで開催されました。今回はCOVID-19の影響を過去のものとし、完全なオンサイトのみでの大会となりました。様々な領域の参加者が集う本学会において、今回は“Power of Inquiring Mind~領域を超えて~”をテーマに掲げ、ご参加いただいた研究者の専門外分野を含めたscienceへの探求心が骨免疫学や免疫学、骨・免疫関連疾患研究のさらなる進歩への貢献つながれば、との想いを込めました。おかげをもちまして、多くの 皆様にご参加をいただき、基礎、臨床のそれぞれから質の高い演題をご発表いただきました。また、招請講演として、The Helmhotlz Center for Infection Research(Germany)のJosef Penninger先生にRANKLを含めた骨免疫学の最新知見ついて、さらには日本を代表する免疫学者である順天堂大学免疫学名誉教授・特任教授の奥村康先生に「免疫制御の新戦力」というタイトルでこれまでの変遷を含めて、それぞれ貴重なご講演をいただきました。また、シンポジウムでは「炎症性骨新生の新展開」というテーマで4名のシンポジストにご登壇いただき、それぞれのトピックスについて大変興味深いご講演をいただきました。一方、臨床的には骨破壊と骨新生を伴うリウマチ性疾患である脊椎関節炎について免疫病態とその治療に関する共催シンポジウムを行い、活発な議論が行われました。一般演題からは9つの優秀演題ならびに4つの最優秀演題を 選考して表彰させていただき、最優秀演題は口頭発表をしていただきました。さらに今回は医学部生の発表があり、少しでもencourageになればとの思いで学生賞を授与し表彰いたしました。また、9つの共催セミナーを開催し、骨・免疫病態を含めた関連疾患に関する有益な講演がなされました。

本学術集会は、ご発表いただいた研究者の方々、ご参加いただいた皆様、協賛をいただいた企業の皆様のご協力により大変有意義なものとなり、感謝の念に堪えません。心より厚く御礼を申し上げます。

骨免疫学、免疫学、および関連する疾患においては、新たな知見が日々、明らかになってきており、今後も飛躍的な発展が期待されます。そのなかで新規知見の共有、他領域の研究者の交流、企業との学術的連携など本学会の果たす役割は益々、重要なものとなると考えられます。この学術集会も来年は記念すべき第10回となり、大会長である北里大学山岡邦宏先生のもと、沖縄本島の万国津梁館で行われる予定です。引き続き皆様のご協力を賜りますよう、何卒、お願い申し上げます。

末筆ながら、皆さまの益々のご健勝とご発展を祈念いたしております。

謹白


大会長の田村直人先生
会場の様子
特別賞を含む13名の受賞者が表彰された
司会の木村朱里様
招聘講演の奥村康先生
ポスターセッションの様子